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【コラム】2018年問題とお局様攻略法

2017.12.05
ワークスタイル

雇用の2018年問題

2018年問題、ご存知でしょうか。
労働契約法と派遣法の2つの法改正による雇用形態や契約期間に関する問題です。
2012年の改正労働契約法では、5年「無期転換ルール」が定められ、2013年4月1日以降に有期労働契約を締結・更新した場合、5年後の2018年4月1日から労働者は有期契約から無期への転換を申し入れることができます。
出典▶厚生労働省/有期契約労働者の無期転換ポータルサイト

また2015年の改正派遣法で派遣社員の派遣期間の制限が見直され、一部の例外を除き、派遣社員は個人単位で同一の組織単位で働けるのが3年までとなり、その最初の期限が2018年9月末となります。
出典▶同省/労働者派遣法の改正について

パート・アルバイトや派遣社員などの有期雇用者を抱える企業では2018年に向けてさまざまな準備や対応が求められます。
その際、企業論理によって大量の雇い止めが起き、失業者が増加することが懸念されています。
労働関連の法律が「改正」されるのに「問題」と言われる所以は、ここにあります。

無期化で、職場のお局様が増加?

果たして、大量の雇い止めは起きるのでしょうか。
求職者1人あたりにいくつ仕事があるかという有効求人倍率の直近9月数値では、正社員において1.02で前月プラスですが、パート・アルバイトは1.77で前月マイナス。
このスコアが示すように、好景気の時代は、人材確保のため契約期間を限定しない正社員募集が増えるのがセオリーです。
この空前の人手不足時代、労働契約を無期化することで人材をつなぎとめておきたいという力学が働くと考える方が、むしろ自然ではないでしょうか。

パート・アルバイトの無期化が進むことで、従業員の勤続年数が増え、職場にベテランスタッフが増えるでしょう。
労働者の雇用安定、離職防止による職場の安定といった正の効果はありますが、ベテランが招く問題も浮上してきます。
それが「お局様問題」です。

「お局様」は、長年勤めているので仕事自体は出来るのです。
ただし、まわりよりも実年齢が高く勤続年数が長くなることで、高慢な態度、つまり他スタッフとの人間関係をギクシャクさせてしまうような振る舞いが見られるようになるかもしれません。
現場を仕切る店長にとっては、頼りにはなるが取り扱いの難しい存在になることもあります。

店長の腰の引けた態度が職場をダメにする

特に若い店長などの現場責任者が、お局様に対して毅然とした態度がとれないことで、他のスタッフからの信頼を失ってしまうことも往々にしてあります。
こうして責任者である店長が職場をコントロールできなくなることが問題の本質です。
我々、ツナグ働き方研究所が実施した調査でも、若手店長がベテラン主婦パートに対して遠慮しているというデータが見つかりました。
出典▶ツナグ働き方研究所/アルバイト職場コミュニケーション調査

そもそも目上の人へ敬意を払うことは、我々日本人に刷り込まれている根源的な儒教的価値観です。
ですから年上の部下に対してのコミュニケーションが必要以上にデリケートになってしまうのも理解できなくはありません。
そういうわけで、若いスタッフは「〇〇チャン」と呼ぶのに、ベテラン主婦を「〇〇さん」と呼んでしまいがちだったりします。
これが、ベテラン主婦にとって、まず最初の地雷なのです。
調査から、彼女たちはニックネームで呼ばれることを欲していることが分かりました。
オヤジギャグが飛び交うフランクな職場コミュニケーションも重要視しています。

職場に君臨するお局様をどうやってマネジメントするのか。
それは、彼女たちの懐に飛び込んで、距離をうまく詰めることができるかどうか。
21世紀の多様な職場では、ますます高度なコミュニケーション力が問われます。
別に小難しいことではない「人」としてのコミュニケーション力が。
でも、それがいちばん難しいのかもしれません。

プロフィール

平賀充記(ひらがあつのり)

株式会社ツナグ・ソリューションズ取締役。ツナグ働き方研究所所長。リクルートフロムエー(現リクルートジョブズ)にて、FromA、タウンワーク、はたらいくなど、リクルートの主要求人メディア編集長を歴任。2014年からツナグ社の経営陣の一人として着任。「多様な働き方の専門家」として活動している。

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