Tsuna・Good!

【コラム】落下傘店長にとって悩ましすぎる、職場下克上問題

2017.10.27
ワークスタイル

ツナグ働き方研究所は働き方改革元年ともいえる2017年、『多様な働き方のミライを描く』をビジョンに掲げ、調査・研究活動をしております。本日はツナグ働き方研究所所長の平賀より、「落下傘店長にとって悩ましすぎる、職場下克上問題」というテーマでお届けします。

DeNAが広島に勝利し下克上!

プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージにおいて、広島に4連勝したDeNAが19年ぶり日本シリーズ進出を決めました。
3位チームが日本シリーズに出場するのは平成22年のロッテ以来2度目で、セ・リーグでは初めて。
しかも今季のDeNAは広島に14.5ゲーム差をつけられていたところからの逆転劇。
これは7ゲーム差をひっくリ返してCSを突破した平成26年の阪神を抜き、過去最大差の「下克上」だと、大きな話題になっています。

スポーツ界では、こういった番狂わせをジャイアントキリングというように表現したりもしますが、プロ野球のCSにおいては「下克上」という言葉が、いつのころからか、よく使われるようになりました。

それにしても「下克上」というのはインパクトのある言葉です。
改めてネットで意味を調べると「日本史において下位の者が上位の者を政治的・軍事的に打倒して身分秩序(上下関係)を侵す行為をさす」とのこと。
実は、サービス業の職場では、こういった下克上的エピソードが少なくありません。

ナンバー2が発する反感のオーラ!

都内のラーメン屋で店長職に就いているAさんのエピソードを紹介しましょう。
当時、彼はあるラーメンチェーン店でナンバー2社員として勤めていました。
「ふたりで店を作り上げてきた信頼できる店長が人事異動で店を移って。
いよいよ、自分がこの店を任されるのか、と思ったら、違う店から年下の新米店長がやってきました。正直、なんで俺がこんなさえない店長の下に?と思いましたよ」と、当時の心境を語ります。
アルバイトスタッフから信頼されていたAさんは悶々とする日々の中、つい彼らを抱え込むようなコミュニケーションをとり、店長を孤立に追いやってしまいました。我慢できず反旗を翻したのです。
それが気に入らなかった店長は、職場の規律を重んじるハードマネジメントに徹し、結果、その店のバイト6人全員が辞めてしまったのです。
窮地に陥った店長が、ナンバー2のAさんに店舗マネジメント実権を移譲すると辞めたスタッフが全員戻ってきたとのこと。
この店舗は、完全にAさんのコントロール下に置かれることになりました。
これって、まさに戦国時代の下克上を彷彿とさせる話です。

落下傘店長には「助さん」「格さん」が必要です

Aさんは、その後店長と和解。実力を認められこの店の店長となりました。
独立し一国一城の主となった今では、このエピソードを若気の至りとして恥ずかしそうに語ってくれました。
この事例に限らず、年上のベテランが存在感を発揮している職場に、新任店長として乗り込んでいくというのは、サービス業界の構造上、なかば避けられない事象です。
そしてその多くの店長が、年上の部下をうまく仕切ることができずに悩んでいます。
例えるなら敵地にパラシュートで降下する兵士のような心境ではないでしょうか。

しかしアルバイト・パートという労働力が主戦力となる職場において、その責任を担えるのは店長を含む数少ない社員ということになります。
いずれにせよ、彼らの共感を得ないことには職場はうまく回りません。
年上のナンバー2がいた場合、彼らが感じてしまう反感を理解すること。お局様と言われるベテランスタッフも味方につけること。
要は「自分がいないとこの店はダメだ」という肩に力が入ったマネジメントではなく、ちゃんと周りを頼りにしてチームワークを構成していくこと。
24時間営業という形態も多く、労働集約的で多忙なサービス業の店長だからこそ、自分がいない時のマネジメントこそが肝要なのです。
でいけば、自分にとっての右腕、左腕となってくれる存在、黄門様でいう「助さん」「格さん」がいなければ、職場はうまく回りません。
プロ野球の下克上に端を発し、そんなことを考えされられました。

それにしても、我がタイガースは今年もダメだったなぁ。

プロフィール

平賀充記(ひらがあつのり)

株式会社ツナグ・ソリューションズ取締役。ツナグ働き方研究所所長。リクルートフロムエー(現リクルートジョブズ)にて、FromA、タウンワーク、はたらいくなど、リクルートの主要求人メディア編集長を歴任。2014年からツナグ社の経営陣の一人として着任。「多様な働き方の専門家」として活動している。

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