Tsuna・Good!

【コラム】日本におけるHR Tech時代の悩ましさ

2017.10.03
ワークスタイル

ツナグ働き方研究所は働き方改革元年ともいえる2017年、『多様な働き方のミライを描く』をビジョンに掲げ、調査・研究活動をしております。本日はツナグ働き方研究所所長の平賀より、「日本におけるHR Tech時代の悩ましさ」というテーマでお届けします。

ジェームズ・ボンド求む!

洋の東西を問わずスパイが人手不足―――。
今、インバウンドブームで「忍者」が引っ張りだこであることは、いくつかのニュースやワイドショーでも紹介されています。日本各地のテーマパークでは忍者の争奪戦が繰り広げられるほどです。そんな中、ある新聞のコラムで、20年前、英国の情報機関MI5が初めて新聞に求人広告を出したという記事を目にしました。(9/19 日経新聞/春秋より)
秘密のベールを脱ぎ捨ててまでの採用活動に、当時大きな話題を呼んだようです。実は、CIAやらモサドやらスパイの募集はけっこう存在するようです。なるほど。華やかなジェームズ・ボンドが活躍する映画の世界とは違って、実体は、過酷な任務と背中合わせの不人気職種なのでしょう。

ハイテク機関のアナログ募集

その007シリーズでおなじみのMI6が、大々的なリクルーティングキャンペーンを展開するというニュースもネットで紹介されていました。その採用手法は、映画館での求人CM上映。(英国政府はこの求人を否定したとの報道もありますが…)
007の上映前にCMを流すのだと思うと、ちょっと笑ってしまいました。世界最高峰の情報機関でも、採用手法は割とアナログなんですね。もちろんMI6のリアルな実体は、ジェームズ・ボンドが使用するハイテク武器を開発しまくっている映画の中の近未来的組織とは違うのでしょうが、それにしても、もう少しやりようがあるだろう、という気もします。

採用担当の高齢化と採用のデジタル化

しかし海の向こうのスパイ募集を笑っている場合でもありません。
日本のアルバイト採用担当者も、相当アナログな採用に終始しているのです。
その理由は採用担当者の高齢化。スーパーの店長さんやコンビニエンスストアのフランチャイズオーナーなど小売店の採用責任者は、50代、場合によっては60代の人が少なくありません。言うまでもなくミドルシニアの採用担当者は、デジタル親和性が低く、どうしても募集手段をアナログな紙メディアに頼りがちです。

一方、世の採用媒体は紙からネットへの流れが顕著です。
我々、ツナグ働き方研究所の調査では、求職活動をネットメディアで行うと答えた割合が46.3%でした。
学生に至っては、紙メディア利用はもはや5.8%というスコア。
もし若年労働力を確保したいのなら、ネットの求人メディア利用は必須です。
さらに、ネットの世界では、「バイトル」や「マイナビ」といった従来型有料求人メディア(PAID MEDIA)の利用だけでなく、ホームページ活用(OWNED MEDIA)、SNS活用(EARNED MEDIA)も加えたいわゆるトリプルメディアマーケティングの時代に突入しています。

HR Tech時代に適応できるか

また、ATS(Applicant Tracking System)といわれる採用管理システムなどのサービスもかなりメジャーになってきました。
このようにリクルーティングツールのハイテク化が一気に進み、「HR Tech」という言葉が登場し、市場を形成し始めています。

採用担当者の高齢化とテクノロジーの進化。
これは採用手法の進化に実務担当者の能力が追いていけないギャップがどんどん拡大していくという構造的課題を表出させることになりました。
デジタルアレルギーを克服し、HR Tech時代に適応できるかどうか。
これが、空前の人手不足時代を勝ち抜く鍵なのです。

プロフィール

平賀充記(ひらがあつのり)

株式会社ツナグ・ソリューションズ取締役。ツナグ働き方研究所所長。リクルートフロムエー(現リクルートジョブズ)にて、FromA、タウンワーク、はたらいくなど、リクルートの主要求人メディア編集長を歴任。2014年からツナグ社の経営陣の一人として着任。「多様な働き方の専門家」として活動している。

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