Tsuna・Good!

【コラム】仕事のチカラについて、青臭く考えてみる

2017.07.07
メッセージ

ツナグ働き方研究所は働き方改革元年ともいえる2017年、『多様な働き方のミライを描く』をビジョンに掲げ、調査・研究活動をしております。
本日はツナグ働き方研究所所長の平賀が、スーパーや売店での買い物、そんな忙しない日常の中で出会った魅力あるワーカーから得た気付きについてのお話です。

所長の平賀が、ある3人のワーカーに、出逢った。

ずっと、この話を書いてみたかったんですが、共感してもらえるか、やや不安で躊躇していたのです。
でも、今回ちょっと勇気を出してみます。

自分の生活圏内に、ベンチマークしているワーカーが3人いまして。
その人たちがくれた示唆についての話です。

1人目は、公園の売店にいる初老の男性。
自宅の近所に、都内有数の広さを誇る公園があって、毎週末は、親子連れやピクニックにきた人たちで賑わっています。
自分も、だいたい週末のどちらかは、本を持ってその公園に行くのですが、その男性は、ほぼ必ず売店のドリンクコーナーに立っていらっしゃいます。
たぶん、もうリタイヤされていているくらいの年齢と推測しているのですが、背が高くて、姿勢も「しゅっ」としていて、すごく品のいい感じの方なんです。
物腰の柔らかい接客も、すごく好感が持てます。
変な言い方なんですが、公園の空気感とは異質な“一種の優雅さ”みたいなものを纏っているような感じで、いつの頃か、すごく気になりだしたんです、彼のことが。
名札のお名前を確認してみたり、これまでのキャリアとかを妄想したり…それ以降、公園に行くたびにウオッチするようになりました。
たまに、姿が見えない時には、ご高齢なだけにちょっと心配になったり。
ある時、偶然に自転車に乗ってる彼を見つけて、思わず、アッと叫んでいたり。
なんか、ちょっとストーカーみたいではありますが(苦笑)。

1人目の出逢いで変化した”距離感”。2人目、3人目との出逢い

でも、それから、日常の中で接客してくれるワーカーに対して明らかに距離感が変わったのです。
顔のない不特定多数の遠い存在から、個別の近しいひとりひとりへ、というのか、彼や彼女たちへの興味が自然と湧いてきて、接近して視る感じというのか。

そうやって観察するようになると、すぐ2人目が見つかりました。
最寄り駅の売店にいる女性です。たぶん主婦の方でしょう。
朝、電車に乗る前に新聞や雑誌を買うときに、ほぼ毎日出会います。
この方、本当にテキパキとしているんです。
他のスタッフに比べ、倍速くらいのスピード感で動いています。
ちょっと鬼気迫るオーラさえ出てるくらいです。
朝の通勤時間帯、一分一秒を争うような時には、
そのオーラを感じるだけでも、ちょっと嬉しくなって、心の中でいつも感謝しています。

そして3人目は、すぐ近所にあるスーパーのレジ係のお兄ちゃん。
彼は、文字通り自分の息子の同級生の「お兄ちゃん」で、大学時代に、このレジ係のアルバイトをやっていました。
(もともと、その存在を個別に認識していたという意味で、前のふたりとは少し事情が違うのですが)卒業して一回辞めたあと、今は社員として再入社し、このレジの仕事をしていると聞きました。
学生時代とは一味違った、キリリとした表情がよくて彼のレジに並ぶたびに、心の中で小さく応援しています。

変化した”距離感”の源=3人の共通点とは

共通点は、3人とも自分の仕事に対して、ポジティブにコミットしているオーラが出ているんです。
そういうのってやっぱり伝わってきますよね。
こちらもそこに引き込まれて、ポジティブな気持ちになれてしまう。
仕事のチカラってすごいな、と。
そしてこの3人は、きっと仕事の中に“お金ではない報酬”を見出しているんじゃないか、と。

最近、ある会話の中で、やりがい搾取についての論争になりました。
金銭報酬を抑制する目的で、「仕事のやりがい」という非金銭報酬を強く意識させて働かせるのは、搾取だと。
確かに、おっしゃるとおりです。労働者保護の観点は重要です。
でも、誤解を恐れずに言うと、仕事の暗黒面にばかりフォーカスした議論も、仕事の価値を見失う的外れなものになる可能性を孕んでいます。

自分の身近にいるワーカーの素敵な仕事ぶりを見ていて改めて、そんな気持ちが湧いてきました。
仕事っていいもんだ。こういうのって、青臭いですかね。

プロフィール

平賀充記(ひらがあつのり)

株式会社ツナグ・ソリューションズ取締役。ツナグ働き方研究所所長。リクルートフロムエー(現リクルートジョブズ)にて、FromA、タウンワーク、はたらいくなど、リクルートの主要求人メディア編集長を歴任。2014年からツナグ社の経営陣の一人として着任。「多様な働き方の専門家」として活動している。

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