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- Beyond the 2020 -コロナ後の新たな採用手法は応募の意思決定に繋がる『口コミ』



目次[非表示]

  1. 1.プロフィール
  2. 2.「口コミ」は採用における新たな価値
  3. 3.単純労働とホスピタリティが二分化する未来
  4. 4.アルバイト・パートのスキルや経験が価値になる

コロナウイルスの感染拡大・多数の労働に関する法改正など採用市場はより複雑化、そしてより不透明な状況です。ツナグ・ソリューションズでは「Beyond the 2020」と称し、対談やインタビュー等を通じて、採用活動成功の秘訣を探ります。

今回のゲストは、バイト先の評判・評価など求人サイトだけでは分かりづらいリアルな体験談を集めたアルバイト・パートのクチコミサイト「バイトチェック byGMO(旧:to Be byGMO)」を運営するGMOコマース株式会社 高橋 翔 氏です。


プロフィール

GMOコマース株式会社

事業推進本部 事業推進部 部長

『バイトチェック byGMO』事業責任者 高橋 翔 氏

高橋 翔

GMOコマース株式会社 事業推進本部 事業推進部 部長『バイトチェック byGMO』事業責任者

2011年、GMOリサーチ株式会社入社。消費者データを活用したWEB集客サービスなど複数の事業責任者を経て2018年、アルバイトクチコミサイト「バイトチェック byGMO(旧:to Be byGMO)」を立ち上げ。

2020年1月よりGMOコマース株式会社へ転籍し現職。


株式会社ツナグ・ソリューションズ

営業企画本部 本部長 玉井 生


玉井 生

株式会社​ツナグ・ソリューションズ 営業企画本部 本部長

2003年 ユメックス株式会社入社以来13年間、リテール営業、大手営業組織の立ち上げ、経営企画・営業企画責任者として人材領域の営業・事業推進に従事。個人・マネージャーとして複数回のMVP表彰。

2016年7月に株式会社ツナグ・ソリューションズにjoin。トップコンサルタントとしてソリューションの提供とマーケティング・ソリューション開発・推進に従事。



「口コミ」は採用における新たな価値



玉井:

まず始めに「バイトチェック byGMO(旧:to Be byGMO)」を作るきっかけ、開発背景を教えて頂けますでしょうか?

高橋:

私はもともと求人の世界でキャリアをスタートしたのではなく、マーケティングリサーチ、いわゆるユーザーの声を集めてサービスの改善に役立てる仕事をしてきました。そのあと、あるご縁からアルバイト採用に携わることになったのですが、企業が発信する求人情報はたくさん流通している一方で、働き手の生の声を確認できる場が少ないと感じました。
実際に、「働いてみたら、事前のイメージと違った」という理由で早期離職に繋がっている事例もよく聞きます。そこで、実際に働いた方の声を参考にアルバイト・パート探しができるサービスが作れたら、ニーズがあるんじゃないかと思ったのが開発のきっかけです。


玉井:

ユーザー発信の情報が少ないところに着目されたのが「口コミ」だったんですね。
口コミサイトから自社HP(オウンドメディア)に紐づけようと思った理由を教えていただけますか?

高橋:

私が求人関連の仕事をして一番最初に携わったのが集客手段としてのアグリゲーションサイトだったのですが、そのときにオウンドメディアリクルーティング(※)に対する関心が広がっていくというトレンドを実感しました。一方で、オウンドメディアは集客手段がまだ限られていて、結局従来のアルバイト媒体と大差のない使い方で終わってしまうケースも多々ありました。応募数や応募単価をKPIとして各チャネルの効果を測定する企業が多いと思いますが、今後労働人口が減っていく中で、応募数や応募単価の最適化に閉じたアルバイト採用のあり方はどんどん立ち行かなくなると思ったんです。やはり応募後の歩留まりの改善とか、定着率の高い自社フィット層をどう増やし、どう集めるかという命題に対峙する、そういう時代になったときに口コミがフィルターとしての機能を果たして歩留まりの改善に役立てるんじゃないかなと考えました。なので正直言うと着地先がオウンドメディアであるかどうかというのはものすごく重視していた訳ではないんです。

バイトチェック byGMOのユーザーも月間100万人近くいますが、追跡調査をしてみるとオウンドメディアのリンクを置いているにもかかわらず、最終応募は他媒体からだったというユーザーも一定数いるんです。ユーザーの立場になってみると応募する媒体がどこかというのはあまり強く意識していないと考えています。バイトチェック byGMOに関しては、商品戦略上オウンドメディアに送客したほうが採用企業から注目されやすいだろうという点が大きかったですね。
あくまでも口コミサイトの果たす役割としては、自社フィット層をどう集めてくるか。定着率をどう改善するか。というほうが大きいと考えています。

※オウンドメディアリクルーティング
オウンドメディア(自社HP)を軸に、 採用したい人材に対して自社主体でメッセージを発信し、 共感を喚起することで採用につなげていく手法のこと

玉井:

なるほど。ではコンバージョンを改善して働くLTVを大きくすることが目標で、オウンドメディアに着弾させるのはトレンドの中の一つの手段でしかなかった。ということなんですかね。

高橋:

お客様のなかには「自社HP経由の応募者のほうが質がいい」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、私は媒体ごとのユーザーの差はそこまで大きくないと思っていて、どちらかというと最終応募がどこの媒体かではなく、応募というアクションまでに、求人サイト以外も含めてユーザーが接触する情報の全体感のほうが、応募有無に大きな影響を与えると思っています。本当の意味で質のいい(=定着率が高い、入社後に活躍してくれる)応募者層を確保しにいくのであれば、現従業員の働きごこちの向上に向き合うとか、自社にフィットしている人たちに自社の仕事についてリアルな口コミで語ってもらうということは結構有効なんじゃないかと思っていますね。

玉井:

客観的情報で比較検証した上での応募というのがフィットしている応募者になるということですよね。

高橋:

どうしても採用企業からすると実際に発生した応募の数で媒体の良し悪しを判断しがちだと思うんですが、私たちはもう少しユーザー寄りに媒体の価値を捉えていて、求職者の意思決定をどれだけ支援できているかということにこだわっています。仮に、口コミをみて「ここは私に合わなそうだから辞めよう」という決断に至ったとしたら、応募数としてはゼロですが、僕らは1つの意思決定を支援できたという点においてメディアとしての価値があったと考えています。

これは採用側から見ても、「早期離職リスクの高い応募を生み出さなかった」という意味で間接的に価値があるはずです。まだまだ事業立ち上げたばかりですので試行錯誤中ですが、こういったことを積み重ねて応募の質を高めていけたらいいなと思っています。




単純労働とホスピタリティが二分化する未来


玉井:

コロナにより働き方の価値観や採用環境が大きく変わりましたが、今後の日本の採用市場はどのように変化していくと思いますか?

高橋:

コロナを乗り越えた後、労働人口の減少がいよいよ社会全体の実感としても顕在化してくるのではないかと思っています。資金力のある企業は今の採用のやり方を続けていてもしばらくうまく回るかもしれませんが、中小企業を中心に、媒体の目立つ位置を買うとか、出稿量を増やしてとにかく応募を集めて、そこから2~3割くらいを採用するみたいな手法が徐々に高コストになっていくと思います。そうすると、応募数が減少していくことを前提に採用プロセスの全体を捉え直して、採用率や定着率をどう改善するのか、媒体にかける予算額の大小ではない尺度で強みを出すことが採用成功の鍵になるのではないでしょうか。

玉井:

大手であったとしても不人気な求人はお金を払っても集まらなくなる。媒体に出しても意味がないという段階にたどり着いたら、特定の業界の特定の規模の企業だけが求人を出すというように、市場自体が変わってくるのはおっしゃる通りかなという風に思います。
もう少し短いレンジでいうと来年のオリンピックまでの期間とオリンピック後くらいでいうとどうですか?

高橋:

どうなんですかね。オリンピックがコロナによって実施されるのかも現時点では分からないですけど、実施されたとしてもインバウンド客が本当に日本へ来るのかという感じもありますよね。
一旦、オリンピックの話はさておくと、今までの求人サイト中心のアルバイトの採用手法がこの先3~5年で徐々に崩れていく予想はしていましたが、コロナによってそのスピードがすごい早まったという感じはありますよね。一気に売り手だったところからみなさんが解放されたので、逆に中長期のあるべき姿を真剣に検討し始める企業が増えたなと感じています。
あとはコロナで人と仕事の関係性も変わってしまったところがあって、ソーシャルディスタンスが当たり前になると、より機械化が進んで人から仕事が奪われていくのが加速していくだろうと思います。今まで以上に単純労働は機械に置き換えられたり、コロナ後はグローバル化でもっと平均賃金が低い国から来日される方々と競争に晒されていくことになると思います。

玉井:

そうですね。人から仕事を離せなかったのは日本人の感情のようなところがあったからだと思いますが、コロナによって優先順位が変わり簡単に切り離せるようになったのもあるかもしれないですね。

高橋:

そうするとアルバイトパートの労働人口の中で格差がどんどん作られていくと思います。機械化・自動化されて仕事がなくなっていく一方で、人にしかできないホスピタリティみたいなものもずっと残るでしょう。接客スキルが高い正規雇用寄りの層と、機械や移民との競争が激化する層に二分していくんじゃないかと予想しています。例えば某テーマパークや大手カフェのようなところは機械に全部置き換えて無人化することはないと思うので、正社員に近い採用のあり方がアルバイトの上位レイヤーを募集するときに必要になってくると思います。でもそのデータベースが今の日本にはないので、どんな人をどうやってターゲティングしていくのかというところが今後の課題ですよね。

玉井:

そうですね。おっしゃる通りでいままでの店舗運営ってなんとなく採用した人の中で育った人がリーダーになるというフォーメーションが出来ていたけど、これからはそんなことが上手くいかなくなるのでそういう素質のある人をどう採用するのかという世界に変わってきますよね。

高橋:

そうですね。時給とかもみんな横並びのあり方じゃなくもっと何百円単位で差が出てくるとか。

玉井:

コロナ禍でバイトチェック byGMOのユーザーって何か変化はありましたか?

高橋:

当初は正直若干心配してまして、4月から5月にかけてサイト全体の訪問者数が落ちたんですよね。

もともと、求職者が複数の選択肢から応募先を絞り込むときにバイトチェック byGMOの口コミを参照して決めるというユーザー行動をもとに設計したサービスなので、コロナ禍で仕事がなくなって多くの選択肢を比較・検討する状況ではなくなったときに、果たしてユーザーは使ってくれるのかと思いました。実際に採用企業からも「求職者は口コミを見て選ぶとか悠長なこと言ってられないんじゃないか」「どこでもいいから仕事がほしいとなってしまうんじゃないか」という声があって確かにその可能性はあるなと思っていたんです。

でも、蓋を開けてみたら、緊急事態宣言解除後、過去最高のユーザーの伸びで毎月レコードを更新していきました。事業を始める以前からの仮説であった、アルバイト領域にはメジャーな口コミサイトがなく、飲食店選びの食べログのようなものがアルバイト領域でもちゃんと立ち上げられれば使ってもらえるはずだし、マーケットの変化を問わず本質的にユーザーのニーズがあるということが分かりましたね。

玉井:

なるほど。逆を言えばアルバイトを探すときに口コミサイトとかで比較検討するということが一般化してるということでもあるわけですね。

高橋:

そうです。あとは我々のユーザーの中にもヘビーユーザーとライトユーザーがいるんですが、ヘビーユーザーは毎日のように片っ端からいろんな企業の口コミを見ているのですが、ライトユーザーは1社しか見ない人もいます。要は比較検討すらしないという求職者もいるんです。

これは、求職者側からのバックグラウンドチェックに近い使い方じゃないかと我々は捉えています。今から応募するんだけど、念のためこのバイト先って大丈夫だよねという裏を取りにきているのだと思います。



アルバイト・パートのスキルや経験が価値になる


玉井:

今後バイトチェック byGMOで開発していきたい機能や実現していきたいことはありますか?

高橋:

短期と中長期で2つあります。

まず短期でいくと、今までは基本的にブランド・業態ごとに口コミを集めて掲載するというサイトの構成になっていて、ブランド・業態単位でアルバイト採用をご支援していたんですが、もっと企業や求職者のニーズにお答えできるようサービスを改善していきたいと思っています。具体的には、採用企業がバイトチェック byGMOで店舗ごとの求人掲載をできるようにして、求職者がバイトチェック byGMOで「銀座駅 カフェ バイト」と検索したときに銀座駅周辺のカフェバイトを口コミで比較検討しながら選んで応募ができるみたいな構成を検討しています。

口コミだけでなく募集中の求人が一緒に見られて、自分のローカルエリアで検索することができる。そういった機能を開発していきたいと考えています。

中長期でいくとやはりさっきの命題ですかね。今後3~5年で徐々に起こり始める社会の変化にどうサービスをミートさせていくかというところを社内で検討しています。具体的にはアルバイト・パート層が二分していったときに、それなりの採用費や給与を支払ってでもスキルや経験をしっかりと積んだ人材を採用したいというニーズが出てくると思うんです。今は応募者が履歴書にアルバイト・パートの経験を書いてアピールすることは少ないと思いますが、今後はアルバイトの職歴であっても働きぶりや仕事内容によっては価値が生まれていく時代になると思います。すごく評判の良いスタッフに「あなたは時給2,000円」というスペシャルオファーがついていくみたいな。アルバイト・パート層の新しい採用、新しい働き方の部分にどう我々が介在できるかを色々と議論し始めてるという感じですね。

玉井:

イメージでいうと派遣会社に登録するときにあるスキルチェックのような状態を上手くとらまえて、必要な仕事をどう当て込んでいくかみたいなのが、もう少しオープンにやれるようなイメージですかね。

高橋:

バイトチェック byGMOも今はワーカーがバイト先についてジャッジする一方向のレビューしかないですが、この逆側も生み出していかなきゃいけないと思っています。バイト先についてのデータは一定数蓄積が進んでるので、逆側のワーカーをデータで評価する仕組みをどう実装するか、自社の求人に最もフィットするユーザーをターゲットできるような仕組みをどう作っていくのかみたいなところが我々の中長期の挑戦になるのではないでしょうか。



さいごに

新型コロナウイルスにより採用市場は急激に変化しました。この先、業務の機械化・自動化が進みアルバイト・パートにおいてはより質の高い人材を求める企業が増え、また、働き手も働き心地や安定を求める傾向が進むでしょう。企業側、従業員双方が評価しあい、フィットする職場を探すには、従来の採用手法だけでなく働き手のリアルな声を集めた「口コミ」が大きな価値をもつでしょう。

ツナグ・ソリューションズでは、お客様の採用活動に関するお悩みや課題にあわせて、最適なサービスを提供しています。お気軽にご相談ください!



バイトチェック byGMO


アルバイト・パートのクチコミサイト「バイトチェック byGMO」。
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