
- Beyond the 2020 - 『人材育成×IT』教える負担を減らし、新人の即戦力化へ
コロナウイルスの感染拡大・多数の労働に関する法改正など採用市場はより複雑化、そしてより不透明な状況である。
ツナグ・ソリューションズでは「Beyond the 2020」と称し、対談やインタビュー等を通じて、採用活動成功の秘訣を探ります。
今回のゲストは、店舗スタッフの離職率を下げたい。従業員のスキルを平準化したい。新人を即戦力にしたい。コミュニケーションを円滑にはかりたい。これらの要望を実現する動画教育&人材育成サービス「shouin(しょういん)」を運営している、ピーシーフェーズ株式会社 shouin事業本部プロダクト部 部⻑ 鈴木将直 氏です。
プロフィール
ピーシーフェーズ株式会社
shouin事業本部プロダクト部 部⻑ 鈴木 将直 氏
鈴木 将直(すずき まさなお)
ピーシーフェーズ株式会社 shouin事業本部プロダクト部 部⻑
2009年に⼊社。デザインチームのマネージャーを経て、動画マーケティングプラットフォームの企画・⽴ち上げに従事。
その後動画を活⽤した⼈材育成サービスである「shouin」のプロダクト開発責任者として現在に⾄る。
株式会社ツナグ・ソリューションズ
営業企画本部 本部長 兼 市場開発室 室長 玉井 生
玉井 生(たまい せい)
株式会社ツナグ・ソリューションズ 営業企画本部本部長 兼 市場開発室室長
2003年 ユメックス株式会社入社以来13年間、リテール営業、大手営業組織の立ち上げ、経営企画・営業企画責任者として人材領域の営業・事業推進に従事。個人・マネージャーとして複数回のMVP表彰。
2016年7月に株式会社ツナグ・ソリューションズにjoin。トップコンサルタントとしてソリューションの提供とマーケティング・ソリューション開発・推進に従事。
「shouin」の開発背景
玉井:
まず、「shouin」を作ろう思った背景・きっかけを教えていただけますか?
鈴木:
もともと弊社はSIerという⽴場で企業の課題に対してシステム全般の企画から開発までを数多く⾏っており、そのなかで従業員向けの教育アプリや学⽣向けの受験アプリの開発に携わる機会がありました。実際に多店舗ビジネスを展開されている企業様の現場に⼊ってヒアリングさせていただくなかで、従業員教育のIT化に未来があると感じたのがきっかけですね。
ちょうど⾃社事業として動画マーケティングツールの事業も⾏っていたので、動画学習を軸としてUX設計し、今の時代にあったソリューションを提供できるのではないかと考え、開発に⾄りました。
玉井:
元々教育系アプリの開発をされていたんですね。「shouin」の価値ってどんなところでしょうか?
鈴木:
shouinにはバリューが大きく3つあります。
⼀つ⽬は『⼀⼈で学習できること』。例えば、新⼈研修でも定形化された座学を毎回教える⼈がマンツーマンで時間を割いているケースってあると思うんです。この座学部分をいつでもどこでもアプリ上で事前学習しておくことでOJTにスムーズに⼊ることができますし、OJT時間の削減にもなるのです。アプリではその後に理解度を測るための振り返りのクイズ問題をやってみる、さらにセルフチェックシートを進めておくことで⾃⾝の成⻑を正しく把握できます。教える側はシフトによるすれ違いや対⾯指導する時間を減らし、より有⽤なフォローアップの時間に費やせるようになります。
⼆つ⽬は、『誰でも即戦⼒化』です。よく現場では「マニュアルが⽤意されていない」、「店舗ごとで教育にバラつきがある」という声を⽿にしますが、本社が⽤意した学習コンテンツを提供することで、スマホひとつで誰もが平等にエンパワメントできる環境を与えます。動画、クイズ、チェックリストでトレーニー、トレーナー同⼠がコミュニケーションをはかりながら効率的なピアトレーニングを実施し1⽇でも早く戦⼒にします。ただし、業務内のいつどこでshouinを使ってもらうかは企業と協⼒しながらオリエンテーションやワークフローに組み込む運⽤設計が⼤事になってきますね。
三つ⽬は、『ピアエンパワメントの向上』です。新⼈同⼠がお互いの達成状況を共有し、得意な⼈にコツを聞いてみたり助け合う仕組みを提供することで⼀⼈ひとりの能⼒を店舗全体の底上げやパフォーマンス向上につなげます。ここは今後⼤きな機能アップデートをする予定です。
玉井:
魅力だらけですね!この中でも一番解決したい課題って何ですか?
鈴木:
⼀番はやはり、教育時間・負担を軽減することですね。昨今では「働き⽅改⾰」の動きとともに副業・兼業などワークスタイルの多様化もあり、外国⼈の増加もあわさって新たな雇⽤機会が⽣まれています。企業にとっては「⼈材不⾜」「⼈材の流動化」が続くなかで⽣産性の向上だけでなく、現場の店⻑や教える側の育成コストを考えなければいけません。そういったところに対して、セルフトレーニングの強化=教える側のOJT負担を軽減することは双⽅のエンゲージメントを⾼めるだけでなく、パフォーマンスの最⼤化につながると考えてます。
玉井:
いまの状況で言うとコロナ影響もあり、『直接』というところの意味合いも変わっていきそうですね。
鈴木:
本当にそう思います。実際に内定者向けの教育ツールとして使っていただいている企業様もおります。内定〜⼊社までの間に⼼構えや企業のビジョンを理解してもらったり、動画レビューという機能を使って接客の様⼦をセルフ撮影してもらい、本社側は投稿動画をみてどの表情が良い悪いなど的確にフィードバックをしています。こういったお互い都合の良いタイミングでコミュニケーションが図れるスタイルのリモート研修は今後更に増えていくと思いますね。
流動的な働き方の社会で大切な「受け入れ体制のケア」
玉井:
今年から大規模スポーツイベントにむけて採用市場とか採用環境、御社でいうと教育・育成の市場ってどのようになっていくと思いますか?
鈴木:
そうですね。先ほど申し上げた副業制度や働き⽅の多様化で職場の掛け持ちが当たり前になったり、社会⼈でも週末ちょこっとバイトみたいなニーズが出てくると思います。最近では空き時間ですぐにお⾦がもらえる単発バイトアプリもありますし。企業は出⼊りが激しくなる前提での受け⼊れ体制をケアしていかないといけないと思います。
そういう採⽤シーンを考えたときに、我々教育側としても⼤⼈向けキッザニアのように『職場体験』をコンテンツ化し、どんなポジション、どんな業務があるのか、教育内容を可能な限りオープンにして職場のイメージを掴みやすくすることが⼤切だと思います。ぜひ貢献していきたいですね。
玉井:
業種的に短期採用をしている企業も、一定の教育が必要になりますよね。
鈴木:
shouinのトレーニングデータを蓄積していけば、企業や業種ごとの特性に合った活躍できるロールモデルの傾向がわかってくるので、採⽤時の⼈属性や性格診断結果と組み合わせてその⼈の適性にあったポジション・教育コンテンツをパーソナライズして提供できると良いなと思ってます。
さいごに
既に現代社会においては身の回りのもののIT化が進んでいるように、今後「教育」と「IT」はますます切り離すことができません。
人材不足が叫ばれている現代ではITを通じた教育手段を企業側が積極的に活用していく事がより求められます。それによって蓄積されたデータは企業の資産となり、未来の採用活動に繋がっていくものになるでしょう。
ピーシーフェーズ株式会社